2018/11/20

ソファのはなし~構造編~

ソファの価格帯はとても幅広く、見た目に分かる張地やデザイン以外に内部構造の違いが挙げられます。
見た目ではわからない内部構造が、実はコスト面で大きく差が出る部分にもなります。
今回は、そんなソファの構造についてお話したいと思います。


座り心地を左右する【クッション材】と【衝撃吸収材】

 

【クッション材について】
◆低価格ソファ・・・衝撃吸収材で使われるものの多くが低密度ウレタン(約25kg/㎥前後)や硬度だけを強調した低品質のチップウレタンがベースに組み込まれていることが多いです。
また、海外製の安価なポケットコイルもよく使われています。
◎価格が安い ◎座り心地が良い
△耐久性の面で劣る
つまり、購入時には座り心地が良いのですが、それが長続きしないとも言えます(5年程度保てば良い方と言われています)。

特に低品質なポケットコイルは使っていくうちに鋼線の飛び出しなども報告されています。経年使用の場合には注意が必要です。

※これらの品質のソファに使用されるポケットコイルは、海外で大量に安価でつくられるものであり、一般的なベッドマットレス用のものとは全くの別物です。

チップウレタン・・・ウレタンフォームの端材を粉砕後、接着剤をブレンドして型に入れ蒸気で押し固めたリサイクルウレタンです。

低品質のチップウレタン(主に海外製)・・・粉砕が甘く、チップが大きいため形状が崩れやすい。また、使用されている接着剤も品質の疑わしいものが多く経年とともにグズグズに崩れる場合もあります。


高品質のチップウレタン(多くは国産)・・・粉砕が細かく、接着剤の品質や接着の技術が高いため形態が安定していて型崩れしにくいです。また、性質の異なるウレタンを組合わせることで一枚ウレタンよりも高い強度となります。

 

◆中間価格ソファ・・・目安:3人掛け売価¥100,000~¥300,000前後のものを指します。
このあたりの価格帯になりますと、使用するウレタンの密度が上がってきます(約30kg/㎥~)。
また、高密度ウレタンとフェザークッションの組合せもこのランクから増えてきます。

 

フェザークッション・・・水鳥の羽を使ったクッション。身体に合わせて形が変わるため、座り心地が格段に良くなります。また、叩くと膨らみ元の形に戻る性質もあるため、耐久性にも優れています。

◆高価格ソファ・・・目安:3人掛け売価¥300,000~

特殊ウレタン高密度・高反発素材が使われたり、フェザークッションですと羽毛布団に使われるクラスのスモールフェザーが使われたりと詰め物が段違いにランクアップ。

ウレタン密度も50~70kg/㎥など比重もさることながら、低品質の高密度ウレタンはガチガチの石のようになってしまいますが、もっちりとした感触の高級ウレタンになります。

 

例えば、オンリーワンで取り扱っているAREAのカウチソファ「パシフィック」というモデルは、ウレタン50-75kg/㎥のミックス、クッション材はハンガリー産マザーグースのスモールフェザーを約13kgも使用しています。

 

【衝撃吸収材】

一般的にソファの衝撃吸収材として使用されているのは、Sバネまたはウェービングベルトになります。

◆Sバネ

S字型のスプリングが連結した構造です。体重を面全体で受け止めます。

やや硬め(しっかりとした)座り心地になります。

国産のウェービングベルトがないという事情もあり、国産メーカーはSバネを採用していることが多いです。

 

◆ウェービングベルト

ゴムを編み込んだものや、ポリプロピレン製などのベルトをベースの枠に張った作りです。

中国製もしくはイタリア製、日本では作られていないようです。

価格帯によって使われる本数や品質が異なります(ベースの強度が低いと、ウェービングベルトの引っ張る力によって歪んだり壊れたりしてしまうため)。

高価格ソファでは、海外の高級ブランドが採用しています。

 

低価格ソファは、Sバネ・ウェービングベルトいずれの場合も本数が少なく耐久性にも欠けるものが多いです。

 

【木枠について】

耐久性のカギを握るのがベース(木枠)部分となります。

お客様にはわからない(見えない)部分なので、価格帯により最も差が出る部分でもあります。

 

◆低価格ソファ・・・木材を使用していないものも多いです。ダンボールのような厚紙を成型したもの、端材(節が多く入ったもの)など。強度がないためウェービングベルトのようなテンションがかかるものは使えない場合も。当然、衝撃吸収材も本数が入らず、構造体としては非常に弱くなります。

表の張り材やデザインは良かったりしますが、やはり専門店としてはお使いになる方の5年、10年後を考えるとおすすめはできません。

 

◆中間価格ソファ・・・成形合板を多用し、骨組みの本数が増えてきます。ウェービングベルトを張り込む場合、1本あたり20kg近いテンションがかかります。(※安価なウェービングベルトは伸びやすいため、このテンションにはなりません)

10本張り込むには200kg前後の負荷がかかるため、構造体が頑丈でなければ耐えられません。

Sバネを使用する場合にも、頑丈な枠でなければ打ち込むことができません。

↑中間価格以上のソファですと、このように無垢材などの木枠にベルトがしっかりと張られています。

中間価格帯はパインの無垢材など、高価格になりますとビーチ(ブナ)やアルダー材がよく使われているようです。

 

 

↑Sバネの場合も、アオリを入れて張る場合には特に木枠の強度が必要です。弾力性が増すため座り心地も良くなりますが、ベースが頑丈でなければこのような張り方はできません。

 

いかがでしたでしょうか。

ソファの掛け心地、特に耐久性の面で非常に大切な役割を担う構造体ですが、通常はお客様に見えない部分です。作り手側の良心が問われるとも言えるかも知れません。

家具選びの際には、ぜひ構造についてもお尋ねくださいませ!

すぐにお分かりいただける、張地やクッション性はもちろんのこと、経年するうちに差が出る、見えない部分にもこだわった長く快適にお使いいただける家具を、専門店としておすすめしてまいりたいと考えております。

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