2018/11/15

木材の種類と性質~広葉樹編~

木製家具に使われている樹木は本当に多くの種類があり、どれがどういう性質があるのか一般的にはあまり知られていません。

特徴や性質がよく分からず、色柄だけでご覧になることが多いのではないでしょうか。

 

そこで今回は、木材の種類と簡単な性格について触れていきたいと思います。

☆☆☆世界三大銘木☆☆☆
ウォールナット・チーク・マホガニー
(この中で、現在家具として一般的に流通しているのはウォールナットのみ)

現在、オンリーワンで多く扱っておりますのは「ウォールナット、オーク」になります。

【針葉樹と広葉樹】
●針葉樹・・・針のような細い葉をもつ針葉樹。まっすぐ伸びるのが特徴で細胞と細胞の間に含まれる空気の割合が多いため、軽く・柔らかい材質になります。自然にまっすぐに伸びる性質から機械式工具がなかった時代に「軽くて切り出しやすい」という理由で住宅の柱や梁材として多く使われていました。
靴を脱ぐ日本では廊下材としても使われることが多いです。
戦中・戦後に資材不足からたくさんの樹木が伐採され取りつくした山に、比較的早く育つ杉・ヒノキが大量に植林されました(後に、これが花粉症の原因になっているといわれています)。
現在家具として多く流通しているのは杉やパインが多いです(ヒノキも近年は流通するようになりました)。

●広葉樹・・・針葉樹とは対照的に大きく開いた葉をもつ広葉樹。針葉樹と比較して幹は太く曲がり枝振りも大きくなります。細胞間の空気の含有が少ないため、木材としては重く、硬くなる傾向にあります。
強度があり傷が付きにくいため内装材の他に、靴を履いたまま過ごす欧米では床材としても使用されていました。
国産の杉やヒノキ材は静かで落ち着いた木目をもつなど長所もたくさんありますが、現代の無垢の家具には広葉樹が多く使われています。家具としての強度やキズに対しての耐久性などの観点からみても広葉樹の方が適しているとも言えます。

☆☆樹木は寒い地方で育つとゆっくり育つため材質は堅牢になる傾向があります。逆に暖かい南方で育つと生育が早くなるため粗くなり耐久度が落ちることになります。特にパイン材などは、産地により強度がかなり変わります。☆☆

今回は、現在広く家具に使われている広葉樹に絞って取り上げていきます。

【ウォールナット】

主に北米産のブラックウォールナットがよく使われています。
世界三大銘木のうちの一つ。
狂いが少なく重厚感と高級感がある色調と、特徴的な木肌で時代を問わず人気です。
塗装前は灰褐色。オイルやウレタンなどが浸透すると、独特の温かみのある雰囲気になります。
衝撃にも強く、狂いが少なく加工性や接着性に優れるといった家具にとても適した性質を持ちます。
テーブルや椅子など、幅広く使われていてコーディネートしやすい材のひとつです。
オンリーワンでも扱いの多い材です。

【オーク(ナラ)】

一番多く流通しているのは北米産のホワイトオークです。
ドングリの木としての方が一般的にはなじみが深い樹木です。
最大の特徴としては、曲げに最適な粘り強さがあげられます。また見た目に特徴的なのは柾目(まさめ)でカットした時に出る「虎斑/トラフ」です。その名の示すとおり、虎の模様に似ていることからこう呼ばれています。
←虎斑の一例


日本では一般的にナラ材というと北海道やロシア産のミズナラを指す事が多いようです。
寒い地方で育つミズナラは目が細かく詰まっていて木目も上品で良質な材になります。
但し、近年ではロシアからの輸入に規制がかかったり、ワシントン条約の認定を受けたりしたことで流通量が激減してしまいました。
その結果、産出量の多い北米産のホワイトオークが流通するようになったのです。
取扱業者でもミズナラとホワイトオークの差を判別できる人はほとんどいないと言われるほど、似通った特徴を持っています。無着色で仕上げると、経年により色味が濃くなります。
☆ホワイトオークは香りの良さと恵まれた木質から、ウイスキーの樽材としてもよく知られています。

●レッドオーク・・・上記の近似種。乾燥が遅い材で人口でも天然乾燥でも劣化する特性を持つため、製材には十分な注意が必要です。
ナラやホワイトオークと一緒で曲げに適してして、同じように柾目で虎斑が出る特徴があります。
チロースと呼ばれる繊維体を持たず液漏れをおこすためウイスキーの樽などには使用できません。このため、近年高騰しているホワイトオークの代わりに家具用として多く見られるようになってきています。

【ブラックチェリー】
日本のヤマザクラと同じ樹種で日本のサクランボより黒っぽい赤黒い実をつけます。

特徴として「経年変化が激しい」「スベスベした肌さわり」「淡い木目」になります。特に経年での色味の変化は大きく上記に示した写真のようにかなり変化していきます。

広葉樹はナラやメープルなど、色が変化する材が多いですが、その中でも変化がかなり大きいと言えます。
曲げや耐衝撃、圧縮などには中程度で加工は容易な方ですが、道具の刃先を切れなくする性質があるため、製材道具の定期的な点検がいるようです。
また、乾燥するまでに狂いが生じやすいため、製材過程においては中途半端な設備、技術では加工することができません。つまり製品として出来上がっている時点である程度の品質は担保されているとも言えます(安価なものは出回りにくい材です)。
また、木目・木肌が美しく経年の変化も認知されてきた現在、人気の高い材になってきています。

【アルダー】
北米、西海岸の代表的な広葉樹。日本ではハンノキ(キツツキが巣を作る木)。

広葉樹としては比較的柔らかい材で加工性は優れます。乾燥も早く乾燥後の安定性も良好。
見た目はブラックチェリーに似ていますが、こちらの方が若干粗いです。
密度は中程度、芯材が木食い虫の被害を受けやすくやや腐りやすいですが、その反面浸透性が高いため防腐処理が施しやすいです。
もともとはその加工性の高さから家具向けに安価な材でしたが、ナチュラルな家具の流行とともに価格が高騰してきています。

【ラバーウッド】
ゴムの木。もともとの原産地は南米ですが、天然ゴムを採取するために現在では主に東南アジアで植林されています。

ゴムの樹液(ラテックス)採取後は廃棄されていましたが、製材技術の向上とともに(主に安価な)家具の材として広く使われるようになりました。
軽軟で加工は比較的容易だと言われています。接着性は高いですが、他の広葉樹と比較すると強度は若干落ちます。ろくろ加工(木材を回転させて砥石や刃先を当てて加工する手法)がしやすく、階段の手すりなどにもよく使われています。

【ホワイトアッシュ】
北米から中米で伐採されるモクセイ科の樹木。アッシュとのみ表記されることも多いです。
タモの近似種。
辺材は白く心材は淡灰褐色。適度な硬度と重量、耐久性があります。
加工はしやすいですが、乾燥過程によっては狂いが出やすい材です。ナラに比べると木目木肌は単調。
代用でセンノキ(ハリギリ)が使われることもあります。
名前の通り清潔感のある白系の色合いとすっきりした木目が特徴。

【タモ】
ロシアから中国北東が産地。
柾目・板目ともにきれいな木目で色合いは明るく優しい印象になります。

北海道産のタモは高級材になります。湿地を好んで生育しているため「湿地(やち)タモ」といわれるようになりました。野球のバットの材として使われるくらい強く粘りのある材です。

【ビーチ(ブナ)】
産地は北米東部とヨーロッパ、日本で特に青森の白神山地は世界遺産として登録されている世界最大のブナの原生林として有名です。
比較的強度がありながら弾力性があるため曲げに非常に適している材。曲げ木と言えばブナと言っても過言でないほど、曲げ木の家具に使われている木です。
木目はきめ細かく白く滑らかで柾目の細かい斑点が特徴です。
赤味がかかった白褐色でメープルより黄色みが強く出ます。硬い広葉樹の中でも硬い部類になります。

アメリカンビーチはやや赤みがかった色で色むらもあります。それに対してヨーロピアンビーチは乳白色になります。
その堅牢さから高級ソファーの木枠(ベース)の材料としても良く使われる材です。

【メープル】
日本では楓としてなじみ深いメープル。一般的にはハードメープルとして呼ばれることが多いカナダの国旗にも葉が採用されている樹木です。シュガーメープルとも呼ばれています。
メープルシロップが取れる材としても有名です。
乾燥は遅く乾燥中の劣化もほとんどないのですが、この加工されるまでに時間をかけすぎると「暴れる(変形する)」という特徴も併せ持つため家具の材料としては難しい材でもあります。
ボーリング場のレーンの床材で使われるくらい堅牢で衝撃に強く、その特性からピアノのアクション運動機器などにも使われています。
辺材は灰白色で心材は黄灰白色になりますが境界は不明瞭で見分けづらい木肌になります。非常に美しい白い木肌は独特の風合いを出しています。
 ※写真左 ハードメープル  右 バーズアイメープル
柾目ではきれいなすっきりした木目が出ますが、板目面でこのような 玉杢の小さな模様が出たものも取れたりします。カナダの国旗で採用ていることでも分かるとおり、原産地としては北米が一番多くを占めています。
非常に高価な材料としても知られています。あまりの堅牢性のため加工に関してくぎ打ち、ねじ留めには下穴が必要なほど。接着性は良いです。

【チーク】
美しい木目と厳しい環境で生育されることで得た強靭な耐久性から高級木材として有名で「世界3大銘木」に数えられます。
但し、ここで銘木と呼ばれているのはミャンマーで採れるミャンマーチーク(本チーク)の事。
現実には家具の材料としては流通していません。

最近は安価なチーク製の家具が販売されるようになりましたが、それらは植林されたインドネシアやマレーシアが産地のユニチーク(植林チーク)が材料になっています。
木肌は粗く、本チークと比較するとかなり安価になります。
本チークが使われていることで有名なものにクイーンエリザベス2世号のブリッジや内装でがあります。
最大の特徴として良質な油、木製タールが含まれている事。塗装しなくても摩擦に強く時間がたっても材質が変化しない点です。肌さわりが滑らかで酸化、腐食に強く水にも強いです。

日本では床材として使われることが多いかもしれません。辺材は淡黄褐色で心材は暗金褐色です(心材は空気に触れる事で中褐色から暗褐色に変化)。
左写真は削りたてのチーク。意外に明るいことが分かると思います。これが経年で色濃くなっていきます。

【ニレ(エルム)】

割れにくく粘りのある材質で曲げ木にも向いています。
ナラやタモに似ている木肌でケヤキに似た材料です。
独楽(コマ)の材料としても使われています。
乾燥は速度の調整をしないといけないためやや難しい材。乾燥中に狂いが出て中割れが起きることもあります。  切削加工は難しい部類ですが曲げ加工には向いています。
辺材は淡灰白色、心材は帯赤褐色で色調ははっきり分かれます。外材のエルムは今は北米産が主流。
昔はイギリスにも生息していましたが立ち枯れ病が蔓延し、壊滅状態になっています。

【バーチ(樺)】

緻密で比較的重い材になります。
乾燥は遅く劣化はほとんどないが狂いが出やすい。日本では樺桜とも呼ばれています。ややこしいですが樺桜は桜ではなく欧州のバーチにあたります。桜に似た柔らかな木目と性質から桜の代用として使われ始めその名が付いたようです。ほんのりピンクがかったこともサクラの名前が付いた一因かもしれません。
曲げにも適しており加工は容易ですが、虫の害を受けやすいので注意が必要。
暴れ(変形)やすいため無垢材よりは上質な合板として使われることが多いようです。北米が主な産地でイエローバーチ、ホワイトバーチなどあります。一時期高騰の為に流通量が減少していましたが、近年になって再度使われるようになってきています。

今回は、「広葉樹」についてまとめました。
針葉樹や、塗装についても掲載していきたいと思います。
家具の素材の一つである、木材。その性質や特徴、原産地などを知り、側にある家具の出来上がるまでに想いを馳せることも、家具の楽しみ方の一つかもしれません(#^^#)
→「木材の種類と性質~針葉樹編~」に続きます!

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